BackEnd

Go言語、ゴルーチン(goroutine)で並列処理を

投稿日:2018年10月22日 更新日:

はじめに

こんにちは、nukkyです。Go連載7回目を担当させていただきます。

プログラムを書く上ではなかなか避けては通れない非同期処理について今回は記事にしたいと思います。

ゴルーチン

Goにはスレッドより小さい単位「ゴルーチン」が並行して動作する様に設計されています。

go文

ゴルーチンを実行するにはgo文で関数を呼び出します。次のコードをみてください。

goの後に関数subを呼び出すことでゴルーチンを開始しています。

ゴルーチンの終了条件

ゴルーチンは、下記の条件で終了されます。

  • 関数が終わる
  • returnで抜ける
  • runtime.Goexit()を実行する

たとえば、Go文のサンプルを以下の様に書き換えた場合、

この場合mainが終了した際にmainで実行したゴルーチンは終了されてしまいます。なぜかというとmain関数も1つのゴルーチンの中で実行されており、mainの中で宣言したゴルーチンが実行されるにはmain関数も実行中(終了されていない)でないといけないからです。

WaitGroup

ゴルーチンですが宣言から実行されるまでの間隔は保証されておらずmainでスリープなどしても何秒待てばよいかはわかりません。

そこでsyncパッケージのWaitGroupを使いゴルーチンの終了を待ってみます。

WaitGroupは厳密にどのゴルーチンが終了したかは管理せず 、WaitGroup内のカウンタで実行中か終了かを判断しています。

チャネル

チャネルとは、ゴルーチンとゴルーチンの間でデータの受け渡しを行うためにデザインされたGo特有のデータ構造です。

チャネルの型

チャネルの型名は「chan [データ型]」のように記述します。

チャネルには他のデータ型にはない特殊なサブタイプを指定できます。「<-chan」を使用すると受信専用チャネル、「chan<-」を使用すると送信専用チャネルになります。サブタイプを指定しない「chan」は送受信可能な双方向チャネルとして機能します。

チャネルの生成

チャネルはmakeを使って生成します。makeへの2番目の引数を指定することでバッファサイズを指定できます。

チャネルはキューの性質をもつデータ構造になっており、チャネルのバッファとはキューを格納する領域であるためバッファサイズとはキューのサイズとみなすことができます。キューには「FIFO(先入れ先出し)」の性質があり、先にキューに挿入されたデータを先に取得できるという特性があり、これはデータを取り出す順序が保証されるという性質があります。

チャネルの送受信

チャネルが保持するデータにアクセスするには送信か受信の2パターンのみです、送受信ともに演算子「<-」を使用します。

チャネルとゴルーチン

チャネルを使用することでゴルーチン間での値のやりとりが可能になります。次のコードを見てください。

この様に呼び出し元でチャネルを宣言しゴルーチンに引き渡すことで、チャネルを使用した値のやりとりが可能になります。

チャネルのクローズ

使用しなくなったチャネルはクローズ(close)する。こうすることでクローズ済みのチャネルに値を送信することはできなくなります。

チャネルをクローズしてもバッファには値が残っており、クローズ済みのチャネルから値を受信しようとすると、チャネルでバッファされている値がなくなるまで受信でき、バッファ内の値を全て受信し尽くした後は、そのチャネルの要素型のゼロ値が返る様になります。

select

次の様な単純なプログラムの場合、変数ch1とch2はチャネル型、変数e1とe2はチャネルが内包するデータ型とした場合、

変数ch1の指すチャネルからデータが受信できない場合、この処理を実行しているゴルーチンは停止してしまいます。

複数のチャネルを扱いながら処理を停止させずに行いたい場合はselectを使います。

複数のチャネルへの送信、受信処理をゴルーチンを停止させることなくコントロールすることが可能になります。

コンテキスト

Goの典型的な利用例であるWebアプリケーションを考えた場合、Goのサーバにおいてリクエストはそれぞれ個別のゴルーチンで処理されます。リクエストハンドラは新たなゴルーチンを生成しバックエンドのDBや別のサーバにリクエストを投げ結果を得てユーザに対してレスポンスを返すといった流れがあった際に注意すべきなのは、その処理に適切なTimeoutやDeadlineを設定して処理が停滞するのを防ぐこと、例えば別のサーバにリクエストを投げる場合にネットワークの問題でリクエストに時間がかかってしまうことが考えられます。この場合リクエストにTimeoutを設定して早めにレスポンスを返しリトライを促すべきだと思います。

さらに生成したゴルーチンを適切にキャンセルしリソースを解放することも求められます。例えば別のサーバにリクエストを投げる場合に適切なキャンセル処理を行わないとTimeout後もネットワークリソースが使われ続けることになるかもしれないからです。さらにネットワークアクセスに使用したゴルーチンは別のゴルーチンを呼び出しそれがまた別のと呼び出しの連鎖が考えられます。その場合も親のTimeoutに合わせてその子は全て適切にキャンセルされリソースは解放されることが望ましいです。

contextパッケージはキャンセルのためのシグナルをAPIの境界を超えて受け渡すための仕組みです。ある関数から別の関数、親から子へとキャンセルを伝搬させることができます。

基本的な使い方

ゴルーチンを呼び出す元の方でオブジェクトを生成します。「context.Background()」は空のコンテキストを生成します(nilではない)。

これをゴルーチンに引き渡し伝搬させていきます。

タイムアウトでキャンセルする場合はWithTimeoutをつかいます。

手動でキャンセルする場合はWithCancelを使います。

キャンセルされたかの判断はselectでコンテキストのDoneを待ちます。

タイムアウトのサンプル

コンテキストのタイムアウトを使用したキャンセルのサンプルになります。

実行結果

さいごに

Goの非同期処理について調べましたが、Goは非同期について他の言語よりも取り扱いがしやすい印象を受けました、この記事がGo初心者の方の一助になれれば嬉しいです。

Go記事の連載などは、こちらをご覧ください。

おすすめ書籍

スターティングGo言語  Goプログラミング実践入門 標準ライブラリでゼロからWebアプリを作る impress top gearシリーズ  みんなのGo言語[現場で使える実践テクニック]  Go言語でつくるインタプリタ

page_footer_300rect




page_footer_300rect




-BackEnd
-,

執筆者:


comment

メールアドレスが公開されることはありません。

CAPTCHA


関連記事

rails

半年ぶりにRails Tutorialをやったメモ

はじめに Railsを触り始めて半年ほどたちました、tonnyです。 復習もかねてRails Tutorialを実施したので、そのメモを残します。 やはり2回目でも気づくことは多いので、非常に勉強にな ...

Kotlinでのnullの基本的な扱いかた

1 はじめに2 基本的にnullを許容しない3 nullを許容するNullable4 Nullableをnon-nullに変える4.1 nullチェックとスマートキャスト4.2 エルビス演算子4.3 ...

rails

Railsの低レベルキャッシュを使ってみた

1 はじめに1.1 環境2 ドキュメント3 準備3.1 configの確認3.2 キャッシュストア4 使ってみる4.1 #read、#write、#delete4.2 #fetch4.3 オプション4 ...

Vue.js入門その4〜TODOアプリにサーバーサイドを追加してみる〜

1 はじめに2 準備2.1 今回作成したいもの2.2 環境構築3 サーバーサイド3.1 DB3.2 メモ:rails generateで余分なファイルを生成しない3.3 作成したファイル4 ビューの作 ...

rails

Ruby2.4でCookieを手動で復号する際に発生したエラーの対処

1 はじめに1.1 前提条件2 発生したエラー2.1 実際のコード2.2 エラー詳細2.3 原因3 どう対処したか3.1 修正後のコード はじめに こんにちは、onoです。 現在開発中のアプリケーショ ...

フォロー

follow us in feedly

AppLink

英語

page_side_300rect

2018年10月
« 9月 11月 »
 123456
78910111213
14151617181920
21222324252627
28293031 

アプリ情報

目標を達成したい方を応援する、TODOアプリもリリースしております。 下記のアイコンから無料でダウンロードできます。

Web版MyCoach

私たちはより広い方にコーチングを知ってもらいたいと考えています。 下記のサイトにて、コーチの方々を紹介しておりますので、よろしければご覧ください。