BackEnd

Laravelで非同期実行する

投稿日:

はじめに

バックエンドの実装に関して、時間がかかる処理を行う場合、非同期に処理したいケースがあると思います。今回はLaravelで非同期に処理するための手軽な方法を紹介します。

動作環境

本記事ではPHP 7.2、Laravel 5.5の環境を想定しています。

準備

非同期に処理するに当たりジョブのキューを管理する方法としては、データベースを利用する方法やRedisを利用する方法などがあります。Laravelでは標準でデータベース、Redis、Amazon SQS、Beanstalkdを利用することができますが、今回は最も手頃なデータベースを使用する実装を紹介します。

デーブルの作成

以下のコマンドを実行してキューを管理するためのテーブルを作成します。

このコマンドを実行すると、以下ようなテーブルが作成されます。

.envの修正

ドライバはデフォルトでは sync になっていますので、 database に変更します。

ジョブの作成

それでは、非同期で処理するジョブを実装していきます。ユーザー登録時に何らかの処理を行う想定です。なお、ユーザーテーブルは既に定義してあるものとします。

以下のコマンドでジョブクラスを作成します。作成したクラスは app/Jobs ディレクトリに配置されます。

このコマンドで作成されるジョブクラスを見てみましょう。

見て分かる通り、ジョブクラスは実行時に呼び出されるhundleメソッドのみあります。なお、ジョブクラスにはEloquentモデルを渡すことができます。ディスパッチ時に渡される引数は以下のようにコンストラクタで取得できます。

ジョブのディスパッチ

ジョブのディスパッチには実装したジョブクラスの dispatch メソッドで行います。以下はコントローラでディスパッチする例です。

キューワーカーを起動

キューを処理するためにはキューワーカーを起動する必要があります。以下のコマンドでキューワーカーを起動します。

なお、キューワーカーは長時間起動しっぱなしのプロセスなので、コードを変更した場合はリスタートする必要があります。キューワーカーのリスタートは以下のコマンドで行います。

より細かな制御

ここまでで非同期にジョブを処理することができるようになりました。ここからは、より細かな制御について紹介します。

特定のキューにディスパッチする

ディスパッチするキューを指定することで、優先的に処理することがなどが可能です。キューの指定には onQueue メソッドを使います。

最大試行回数の指定

ジョブの最大試行回数は以下のように指定します。

タイムアウトの指定

ジョブの最大実効秒数は以下のように指定します。

ジョブ失敗時の処理

最大試行回数以上ジョブの実行に失敗した場合、そのジョブは failed_jobs テーブルに保存されます。以下のコマンドでテーブルを作成します。

失敗したジョブのクリーンアップ

失敗したジョブのクリーンアップはジョブクラスの failed メソッドで行います。なお、引数として失敗の原因となった Exception が渡されます。

失敗したジョブの再実行

failed_jobs テーブルに保存されたジョブは以下のコマンドで確認できます。

失敗したジョブの再実行は以下のコマンドで行います。

また、失敗したジョブの削除は以下のコマンドで行います。

さいごに

Laravelで非同期に処理を行う方法として、データベースを使う方法を紹介しました。

おすすめ書籍

初めてのPHP PHPフレームワーク Laravel Webアプリケーション開発 バージョン5.5 LTS対応 スラスラ読める JavaScript ふりがなプログラミング (ふりがなプログラミングシリーズ) Vue.js入門 基礎から実践アプリケーション開発まで

page_footer_responsive




-BackEnd
-,

執筆者:

免責事項

このブログは、記事上部に記載のある投稿日時点の一般的な情報を提供するものであり、投資等の勧誘・法的・税務上の助言を提供するものではありません。仮想通貨の投資・損益計算は複雑であり、個々の取引状況や法律の変更によって異なる可能性があります。ブログに記載された情報は参考程度のものであり、特定の状況に基づいた行動の決定には専門家の助言を求めることをお勧めします。当ブログの情報に基づいた行動に関連して生じた損失やリスクについて、筆者は責任を負いかねます。最新の法律や税務情報を確認し、必要に応じて専門家に相談することをお勧めします。


comment

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA


関連記事

laravel logo

Laravel Admin でCSVインポートを実装する

1 はじめに2 下準備2.1 Laravel Adminの導入2.2 Laravel Excelの導入3 Laravel Excelの実装3.1 Importクラスの作成3.2 モデルのfillabl ...

rails

はじめてのrails、まずはローカル環境構築してみる

1 はじめに2 必要なライブラリ・ツールのインストール2.1 homebrew, rbenv2.2 rbenv-communal-gems3 最新安定版のrubyをインストール4 bundler, r ...

rails

さらば「rails migrate」、よろしく「ridgepole」

1 はじめに2 Ridgepoleとは3 rails migrateではなく、Ridgepoleを選定した理由4 rails migrateからRidgepoleへの移行手順5 capistrano3 ...

laravel logo

Laravelで認証APIを作る

1 はじめに1.1 条件1.2 JWTとは2 準備2.1 認証機能を有効化2.2 jwt-authのインストール2.3 コンフィグファイルの作成2.4 secretの作成3 Userモデルを修正4 g ...

Go言語

Go 1.23 で追加された iter パッケージを使ってみる

1 はじめに1.1 iteratorとは2 push方式のイテレータ2.1 kとvを受け取るイテレータ関数2.2 イテレータ関数をチェインさせる2.3 イテレータ関数の型を利用する2.4 イテレーショ ...

フォロー

blog-page_side_responsive

2019年5月
 1234
567891011
12131415161718
19202122232425
262728293031  

アプリ情報

私たちは無料アプリもリリースしています、ぜひご覧ください。 下記のアイコンから無料でダウンロードできます。