カテゴリー: iOS

iOSでFirebase Authenticationを実装してみる その1

はじめに

はじめまして、Yossyです。
普段の業務ではiOSアプリを扱っています。これから、主にiOS関連の記事を書いていきたいと思います。
さて、個人で作成しているiOSアプリでFirebaseのAuthenticationの使用を予定しています。
Authenticationを利用すると、多くのアプリで必要となるユーザー認証機能を簡単に実装する事が出来ます。
認証方法も、メールアドレス/パスワードを利用する、GoogleやFacebook等のアカウントを利用する、匿名ユーザーとしてログインする等複数のパターンを実装可能です。
今回は、メールアドレス/パスワードを用いてのユーザー認証機能と匿名ユーザーとしてログインする機能をFirebase Authenticationで実装してみたいと思います。

Firebaseプロジェクトの設定

Firebaseプロジェクトの作成方法は省略したいと思います。
詳しくは、公式チュートリアルを参照してみてください。
https://firebase.google.com/docs/ios/setup?hl=ja

プロジェクト作成出来たら、コンソール画面からAuthenticationページを表示します。メニューにログイン方法があるので、クリックして一覧を表示します。プロジェクトで利用するログイン方法を選びますが、今回は「メール/パスワード」と「匿名」を有効にします。

新規ユーザー登録

まずは新規ユーザー登録機能を実装します。
先ほどコンソール画面で有効にした『メールアドレス/パスワード』を用いたユーザー登録です。
今回は下図の様なログイン画面に実装したいと思います。

メールアドレスとパスワードは、TextFieldから取得してきます。
ログイン画面の「新規登録」ボタンをタップし、メールアドレスとパスワードを引数に渡しFirebaseSDKのメソッドを呼びます。
ここで、渡されたメールアドレスとパスワードで新規ユーザー作成が行われます。
クロージャの引数であるFIRAuthDataResult型のresult?.userがnilで無ければ(ユーザー情報が取得出来れば)、次の画面へ遷移します。

 @IBAction func doNewRegister(_ sender: UIButton) {
        // 各TextFieldからメールアドレスとパスワードを取得
        let email = emailForm.text
        let password = passwordForm.text

        // FirebaseSDK 新規ユーザーとしてログイン
        Auth.auth().createUser(withEmail: email, password: password) { (result, error) in

            // ログイン出来ていたら
            if (result?.user) != nil{

                // 次の画面へ遷移
                self.performSegue(withIdentifier: "netxViewController", sender: nil)
            }
        }
    }

ログイン処理が完了した後、コンソール画面を見てみましょう。
新たなユーザーが作成されていることが確認できます。
このコンソール画面では認証方式、ユーザー作成日、最新のログイン日等が確認出来ます。

既存ユーザーのログイン

次に、既存ユーザーとしてログインする機能を実装します。
先程同様、今度は「ログイン」ボタンをタップし、メールアドレスとパスワードを引数に渡してFirebaseSDKメソッドを呼びます。
クロージャの引数であるFIRAuthDataResult型のresult?.userがnilで無ければ(ユーザー情報が取得出来れば)、次の画面へ遷移します。

@IBAction func doLogin(_ sender: UIButton) {
        // 各TextFieldからメールアドレスとパスワードを取得
        let email = emailForm.text
        let password = passwordForm.text
        
        //FirebaseSDK 既存ユーザーのログイン
        Auth.auth().signIn(withEmail: email, password: password) { (result, error) in
            if (result?.user) != nil {
                
                // 次の画面へ遷移
                self.performSegue(withIdentifier: "nextViewController", sender: nil)
            }
        }
    }

ログイン処理が完了したら、再度コンソール画面を見てみましょう。
ログイン日が最新日に更新されています。

匿名ログイン

次に、匿名ユーザーとしてログインする機能を実装します。
『匿名』のユーザーは、メールアドレス/パスワードを登録する必要はなく、簡単にユーザーを登録することができます。
「匿名でログインする」ボタンをタップしたら、匿名ログイン用のFirebaseSDKメソッドを呼んであげるだけです。

@IBAction func doAnonymousLogin(_ sender: UIButton) {
        //匿名ユーザーとしてログイン
        Auth.auth().signInAnonymously { (result, error) in
            if (result?.user) != nil{
                //次の画面へ遷移
                self.performSegue(withIdentifier: "nextViewController", sender: nil)
            }
            
        }
    }

ログイン後にコンソール画面を見てみると、認証方式が匿名でログインしている事が確認出来ます。

エラーメッセージ

認証メソッドを呼んだ際、クロージャでエラーが返ってきた場合に、エラーメッセージを表示したいと思います。
返ってきたエラーコードからエラーメッセージを作成し、アラートで表示する事が出来ます。
下の実装では一部のエラーコードしか書いていませんが、リンクには一覧が掲載されていますので参考にしてみて下さい。
https://firebase.google.com/docs/auth/ios/errors?hl=ja

if let error = error {
                    
                    if let errorCode = AuthErrorCode(rawValue: (error as NSError).code) {
                        
                        switch errorCode {
                            
                        case .wrongPassword:
                            errorMessage = "入力したパスワードでサインインできません"
                        case .emailAlreadyInUse:
                            errorMessage = "このメールアドレスは既に使われています"
                        default:
                            errorMessage = "通信に失敗しました"
                            
                        }
                        
                        let loginAlert = UIAlertController(title: "ログインエラー", message: errorMessage, preferredStyle: .alert)
                        loginAlert.addAction(UIAlertAction(title: "OK", style: .default))
                        self.present(loginAlert, animated: true)
                        
                    }
                }

最後に

Firebase Authenticationを使用するとユーザー認証機能が非常に簡単に作成出来ますね。
次回は、匿名ユーザーから永久ユーザーへの変換処理など行ってみたいと思います。

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執筆者:
Yossy
タグ: Swift

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