みなさんはEC2のどのインスタンスタイプをよく使うでしょうか。私はt2.smallやt2.microをよく利用します。
そんな中で、先日T3インスタンスがリリースされましたので調べてみました。
T3インスタンスはT2インスタンスよりコストパフォーマンスに優れたインスタンスタイプです。T1やT2と同様にベースライン処理能力が保証されています。さらに、より多くの処理能力が必要になった場合、CPUクレジットもしくは追加の課金によって、必要な時間に渡ってパフォーマンスをスケールアップすることができます。
上記のようにT2インスタンスに近い特性ですが、AWSによるとM4やM5インスタンスを利用しているが、コンピュートパワーを継続的に必要としていない場合ではT3インスタンスへの移行を検討すると良いようです。
T3インスタンスのスペックと価格(東京リージョン)は下記のとおりです。
vCPUs | Baseline Performance Per vCPU | Memory | Price / Hour (Linux) | |
t3.nano | 2 | 5% | 0.5GiB | $0.0068 |
t3.micro | 2 | 10% | 1GiB | $0.0136 |
t3.small | 2 | 20% | 2GiB | $0.0272 |
t3.medium | 2 | 20% | 4GiB | $0.0544 |
t3.large | 2 | 30% | 8GiB | $0.1088 |
t3.xlarge | 4 | 40% | 16GiB | $0.2176 |
t3.2xlarge | 8 | 40% | 32GiB | $0.4352 |
ちなみに、T2インスタンスのスペックと価格は下記のとおりです。
vCPUs | Baseline Performance Per vCPU | Memory | Price / Hour (Linux) | |
t2.nano | 1 | 5% | 0.5GiB | $0.0076 |
t2.micro | 1 | 10% | 1GiB | $0.0152 |
t2.small | 1 | 20% | 2GiB | $0.0304 |
t2.medium | 2 | 20% | 4GiB | $0.0608 |
t2.large | 2 | 30% | 8GiB | $0.1216 |
t2.xlarge | 4 | 22.5% | 16GiB | $0.2432 |
t2.2xlarge | 8 | 17% | 32GiB | $0.4864 |
T3インスタンスではUnlimited Mode(いわゆる無限バースト)がデフォルトで有効になっています。これにより、CPUクレジットが足りない状態でも仮想CPU時間あたり$0.05でバーストすることができます。
T3インスタンスのハイパーバイザはC5、M5、R5インスタンスと同様にNitroシステムを採用しており、ネットワークとEBSのバーストにも対応しています。ネットワークは最大5Gbps、EBSはインスタンスタイプに応じて1.5Gbps〜2.05Gbpsにバーストすることができます。
普段よく使うT2インスタンスとの比較は下記のとおりです。
t2.nano、t2.micro、t2.smallは仮想CPUが1つでしたが、t3.nano、t3.micro、t3.smallでは2つになっています。それ以外のインスタンスタイプの仮想CPU数は同じです。
同じサイズのT2インスタンスと比べて倍になったようです。ただし、T3インスタンスではLaunch Creditがありません。
T2インスタンスでは”Low to Moderate”と表記され具体的なスループットがわかりませんでしたが、T3インスタンスでは上述の通り最大で5Gbpsの帯域を利用できます。
T2インスタンスでは利用できませんでしたが、T3インスタンスではデフォルトで有効になっています。
上述の通りT3インスタンスではNitroシステムを採用しています。なので、T2インスタンスから移行する場合、kernelのアップデートやENAの有効化が必要など注意が必要です。
t2.microは無料枠の対象でしたが、T3インスタンスは無料枠の対象ではありません。
新しく追加されたT3インスタンスですが、個人的にはT2インスタンスの上位互換といった印象です。すでに既存のサービスもT3インスタンスへの以降を検討しています。