今更ではありますが、ペイパルマフィアと呼ばれるピーター・ティール氏の「ZERO to ONE」を読みました。
今回は、本を読んだ感想を記載させていただきます。
ピーター・ティールとは
ピーター・ティール氏つきましては下記、東洋経済さんの記事をご覧ください。
ピーター・ティールとは結局、何者なのか?
販売戦略の必要性
技術畑にいる私ですが、技術のことだけ考えていてはダメだと思っています。
作中で「おたく対営業」と副題がついておりますが、目を見張るような技術を使用していても、売れないものは売れないです。
最近だとスマホゲームが良い例かと思います。
ランキング上位は、テレビや駅のホームでよく宣伝されているアプリばかりです。
「ゲームとして優れており、収益が出たから宣伝量を増やす」という好循環の結果だ、とおっしゃる方もいるかもしれませんが、広告が強力なツールであることは間違いありません。
広告に限らず、営業やマーケティングなど、どう拡大させていくか考えることが重要かと思います。
「競争企業」と「独占企業」
「競争企業」はなんとなくイメージできました。
今はどこの業界でも価格競争を筆頭に競争が巻き起こり、疲弊しています。
逆に独占企業というと、なんとなくインフラを握っている企業がそれにあたりそうな気がします。
作中では以下の条件に合致すると独占企業として強い立ち位置を得られる、と記載されていました。
- プロプライエタリ・テクノロジー(自社固有技術)
- ネットワーク効果
- 規模の経済
- ブランディング
そして、これに合致している企業として、アップルが挙げられています。
よく独占企業には、支配的で閉鎖的、停滞感などがイメージとしてつきまといますが、その逆で、自分たちが「良い」と思ったものをどんどん形にし、イノベーションを起こすことができる、とのことです。
「独占企業」は「他社」をそこまで気にする必要がないからですね。
アップルだけ見ても、Mac、iPod、iPhone、iPadなど、支配的な地位を築いた後も魅力的な製品を生み出し、さらにファンを増やしています。
ZERO to ONE流の戦略
そうは言っても、大企業でもないし、独占企業になんてなれない。
そのときの一つの指針として、以下が挙げられています。
- 小さく始めて独占する
- 規模拡大
- 既存産業を破壊しない
- ラストムーバーになる
要はニッチトップになれということです。
あのAmazonでさえ、当初は本屋でした。
そして相性の良い分野にどんどん進出して、今の規模になりました。
個人的に興味深いと思った点
また、個人的に興味深かったのは、既存産業を破壊しないという主張です。
「破壊的イノベーション」などの言葉に代表されますが、技術屋はイノベーションが大好きです。
ただ、既存のものを破壊しようとすると、必ずそれを抑え込もうとする敵が現れます。
そうではなく、既存産業とは良きパートナーとしてやっていく方が良い、とのことです。
さいごに
ただ技術を追い求めるだけでなく、
- これをどうやって活用しようか
- ユーザー目線だとどうなのか
といった基本的なところから考えられるようになり、ゆくゆくは経営者や投資家の視点も備えられるようになりたいと思います。
本ブログでは、技術や製品情報だけでなく、こういった啓蒙書などの書評も扱っていきたいと思います!