はじめに
こんにちはsuzukiです。Xcode11リリースされました。SwiftUIもありますが、AppDelegate周りの変更も大きいのではないかと思いました。SceneDelegateの呼ばれる順番と元のAppDelegateのDelegateをiOS13.1でも使う方法を調べましたのでこちらにまとめておきます。
Xcode11(プロジェクトは新規作成)
iOS13.1
swift5
SceneDelegateについて
新規でアプリケーションを作成するとSceneDelegateというファイルが追加されています。こちらはXcode11で新規にプロジェクトを作成するとテンプレートに追加されるファイルで、今までのAppDelegateで指定する、ApplicationDelegateではなく、Scene由来のデリゲートが設定できます。MultipleWindowを機能も実装され、Application由来ではなくScene由来のデリゲートに移行を求められているようです。下記はSceneDelegateに宣言されているデリゲートです。コメントを翻訳してprint(#function)入れてます。
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 | class SceneDelegate: UIResponder, UIWindowSceneDelegate { var window: UIWindow? //シーンの起動時に呼ばれる。 func scene(_ scene: UIScene, willConnectTo session: UISceneSession, options connectionOptions: UIScene.ConnectionOptions) { print(#function) guard let _ = (scene as? UIWindowScene) else { return } } //ここは不安だったので訳文をそのまま乗せてます。 //シーンがシステムによってリリースされるときに呼び出されます。 //これは、シーンがバックグラウンドに入った直後、またはセッションが破棄されたときに発生します。 //このシーンに関連付けられているリソースを解放します。リソースは、次にシーンが接続されたときに再作成できます。 //シーンは必要に応じて破棄されなかったため、後で再接続できます(代わりに「application:didDiscardSceneSessions」を参照してください)。 func sceneDidDisconnect(_ scene: UIScene) { print(#function) } //シーンが非アクティブ状態からアクティブ状態になった際に呼ばれます。 func sceneDidBecomeActive(_ scene: UIScene) { print(#function) } //通話などでアクティブ状態から非アクティブに移行するときに呼び出されます。 func sceneWillResignActive(_ scene: UIScene) { print(#function) } //シーンがバックグラウンドからフォアグラウンドに移行するときに呼び出されます。 func sceneWillEnterForeground(_ scene: UIScene) { print(#function) } //シーンがフォアグラウンドからバックグラウンドに移行するときに呼び出されます。 func sceneDidEnterBackground(_ scene: UIScene) { print(#function) } } |
SceneDelegateの呼ばれる順番
AppDelegateとSceneDelegateとViewController(viewWillAppaer、viewDidAppearを追加)それぞれにprint(#function)を追加して少し動かして見ました。
StoryBoardを使用multipleWindowは設定なしです。
個人的にはしれっとsceneWillEnterForegroundがアプリ起動時に呼ばれていることに驚きました。
アプリ起動時
1 2 3 4 5 6 7 | application(_:didFinishLaunchingWithOptions:) scene(_:willConnectTo:options:) viewDidLoad() viewWillAppear(_:) sceneWillEnterForeground(_:) sceneDidBecomeActive(_:) viewDidAppear(_:) |
アプリバックグラウンド
1 2 | sceneWillResignActive(_:) sceneDidEnterBackground(_:) |
アプリフォアグラウンド
1 2 | sceneWillEnterForeground(_:) sceneDidBecomeActive(_:) |
アプリフォアグラウンド
1 | application(_:didDiscardSceneSessions:) |
通信がキャンセルされるか
iOS12でwillEnterForegroundで通信を行っていた際に通信がキャンセルされることがあったので念の為簡単な通信をして見ました。
単発の軽い通信のため、実証としては足りていないですがキャンセルされるデリゲートはありませんでした。
個人的にはかなり怯えていたので助かりました。
SceneDelegateなんて使いたくない
新しい機能なので積極的に使っていきたいところですが、『iOS12は切れない』『色々なパターンで元のAppDelegateを使いたい』ということがあるかと思います。デフォルトの状態ではAppDelegateにwillEnterForeground等を記述してもiOS13では呼ばれません。(Xcode11以下で作成したプロジェクトでは呼ばれます)そのためApplicationDelegateを呼ぶためには下記の手順が必要です。
- Info.plistからUIApplicationSceneManifestを削除する。
- AppDelegateのdidDiscardSceneSessionsとconfigurationForConnectingをコメントアウトする
- AppDelegateにvar window: UIWindow?を追加する
対応後に起動したらこんな順番でした。applicationWillEnterForeground(_:)は呼ばれないですね。
1 2 3 4 5 | application(_:didFinishLaunchingWithOptions:) viewDidLoad() viewWillAppear(_:) applicationDidBecomeActive(_:) viewDidAppear(_:) |
さいごに
最後までありがとうございます。デリゲート周りがこそっと変わるといつもキャッチアップ遅れます。。
iOS12でapplicationWillEnterForeground(_:)の通信失敗していることに気づいてapplicationDidBecomeActive(_:)に変更したら、起動時に呼ばれること忘れてたり、、、SceneDelegateを既存のアプリと組み合わせるとさらに複雑になるのは少し怖いですね。きっちり最初からきちんと理解して進めていきたいですね。