Android

Kotlinで初期化を遅延する

投稿日:2018年11月15日 更新日:

はじめに

こんにちは、前回に引き続き、Kotlinの基本的な文法をまとめています。今回はKotlinにおける初期化の遅延についてとなります。
by lazylateinitといったキーワードを初めて目にした時は「呼び出される時に初期化されるのね」という理解(間違いではないのですが言葉足らずでした)しかしておらず、改めて調べることでそれぞれの差異や機能の意図などを掴んでいこうと思います。

初期化の遅延とは

HaskellやScalaでは「遅延評価」と呼ばれているようです。
今回の記事では「インスタンス生成後にプロパティの値を定義できる」という意味で初期化の遅延という表現を使っています。
以下の記事で大まかな概要を理解できましたので、リンクを掲載しておきます。サンプルコードはScalaですが、概ね理解できると思います。
遅延評価とは何か

by lazy

  • 型は何でもOK
  • 一度だけ値の初期化を行う
  • 値はキャッシュされ、二回目以降は最初の値を常に返す
  • readonly

最後の「readonly」が注意点なのですが、これは後述します。
by lazyの記述方法は以下のようになります。by lazyの後にラムダ式が記述でき、その中で行われた処理の結果を値として、プロパティmsgが初期化されています。

「常に同じ値を返す」という性質なので、findViewByIdで取得したViewを入れたりすると、少し厄介なことになります。
というのも常に同じ値を返すため、例えばtextView.text = newValueなどとしても変更が反映されません。これはKotlinでは有名なアンチパターンとのこと。
参考: FragmentでKotlinのby lazyを使ってfindViewByIdするとレイアウト反映できない&リークする件
処理が進むにつれて変更されていく値は、次に紹介するlateinit, あるいはDelegates.notNullを使います。

lateinit

  • プリミティブ型は不可
  • val不可、varのみ
  • nullable不可
  • private推奨(初期化が行われる前に外部からアクセスされるのを防ぐため?)

「あとで必ず初期化するけど、インスタンス生成時にはできない」という時に使用します。必ず初期化するのでnon-nullで扱うことが可能となります。
またval不可なので、変更されることが前提となります。ActivityやFragmentのonCreate, onCreateViewで、findViewByIdで取得したViewなどが入ることを想定しているようです。
サンプルコードは下記のようになります。プロパティで変数名だけ宣言する場合、Javaでは値がnullになりますが、lateinitを付けてonCreate内で初期化すればnon-nullとして扱えます。

Delegates.notNull

Delegates.notNullはプリミティブ型に使えます。プロパティにアクセスする前に値をセットする必要があるため、下記のコードはコンパイルエラーとなります。

下記のようにsample.nonNullMsgに値を定義してから呼び出しましょう。

ここで「何のためにDelegates.notNullがあるんだろう、lazyかlateinitでいいんじゃないの」という疑問が湧いたのですが

  • lazyは値が不変な場合に使う
  • lateinitはプリミティブ型に使えない

という特徴があったのでした。Delegates.notNullは「可変かつnon-nullな値の初期化を遅延したい」時に使うのが良さそうです。
lazyinitとnotNullの使い分けについてはこちらが参考になりました → Kotlin : ‘notNull delegate’ vs ‘lateinit’

さいごに

いかがでしたでしょうか。「プロパティでnon-nullを保ちつつ、コードの途中で初期化したい。なるべくスマートな書き方で」となると、今回挙げたような記法が一例になると思います。
また、こういった記法を知っていることで、コードの書き手の意図を汲みやすく、また読み手に自分の意図を伝えやすくもなります。
「書きやすく、読みやすい」コードはなかなか難しいですが、常に意識しておきたいです。

おすすめ書籍

Kotlinスタートブック -新しいAndroidプログラミング Kotlinイン・アクション 速習 Kotlin: Javaより簡単!新Android開発言語を今すぐマスター 速習シリーズ

page_footer_300rect




page_footer_300rect




-Android
-

執筆者:


comment

メールアドレスが公開されることはありません。

CAPTCHA


関連記事

[Android] リソースフォルダの修飾子

1 はじめに2 画面の向き3 画面サイズ4 テキスト入力方法5 複数修飾子の組み合わせ6 その他7 さいごに はじめに Androidアプリではリソースフォルダ名に修飾子をつけることによって、様々な環 ...

[Androidアニメーション]Shared Elements遷移

1 はじめに2 Shared Elements遷移とは3 layout xml4 Activity遷移5 その他6 さいごに はじめに 最近、雨が多いですね。そんな時は家にこもって、プログラミングをす ...

Android StudioのInstant Runの種類

1 はじめに2 概要3 全部で3種類4 コールドスワップになる条件5 ビルドおよびデプロイが実行される条件6 再実行について7 参考ページ8 さいごに はじめに はじめまして、nomuraと申します。 ...

Kotlinをはじめよう〜Kotlin基本文法〜

1 はじめに2 事前準備3 基本データ型4 変数5 条件分岐 if式6 条件分岐 when式7 繰り返し制御 while文8 繰り返し制御 for文9 さいごに10 おすすめ書籍 はじめに こんにちは ...

[Android] Firebase ML Kit勉強会に参加してきました

1 はじめに2 Firebase ML Kitとは3 準備するもの4 動かすまでの手順4.1 gradleのsyncがうまくいかない場合5 テキスト認識を試してみる6 画像のラベル付けを試してみる7 ...

フォロー

follow us in feedly

AppLink

英語

page_side_300rect

2018年11月
« 10月 12月 »
 123
45678910
11121314151617
18192021222324
252627282930 

アプリ情報

目標を達成したい方を応援する、TODOアプリもリリースしております。 下記のアイコンから無料でダウンロードできます。

Web版MyCoach

私たちはより広い方にコーチングを知ってもらいたいと考えています。 下記のサイトにて、コーチの方々を紹介しておりますので、よろしければご覧ください。