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AndroidでWebViewを使用する時に押さえておきたいポイント5選

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はじめに

こんにちは。カイザーです。
最近、アプリはWebViewだけで、機能はWEB側で実装されるという、いわゆる「ガワネイティブ」アプリを実装する機会がありました。
その時、「スマホのChromeではちゃんと動いているのに、WebViewだと動かない!!」ということが多々あったので、紹介していきます!

JSのAlert, Confirm, Promptが表示されない!

まず、JavaScriptがWebViewの標準で無効になっているので、有効にしてあげましょう。

そして、WebChromeClientに対応するメソッドを実装していきます。
1番簡単なのは、下記のように、それぞれ全てfalseを返してあげることです。

表示結果は下記のようになります。(Confirmの場合)

「file:// のページ」というタイトルは、自動的に付加されます。
これを変更したい場合には、下記のように自前で表示させる必要があります。
※ダイアログ表示にMaterialDialogsを使用しています。

実行結果は以下のようになります。

読み込み中の進捗を表示する

重いページを読み込むときは、ユーザにその進捗率を見せた方が良いでしょう。
先ほどのChromeWebClientに「onProgressChanged」というメソッドが定義されているので、こちらを実装します。

これはActivityのコードですが、progressBarというIDで、Progress Bar(Hrizontal)を設置しています。
なお、newProgress引数には、0〜100の値が入るため、ProgressBarのMaxは100にしておきましょう。

UserAgent

アプリアクセスをサーバサイドで判断する場合などにおいて、WebViewに独自のUserAgentを設定しなければならない場合もあると思います。
その場合は、下記のように設定します。

この例では、既存のuserAgentStringに、文字列を連結しているため、既存のUserAgentと共に、設定したいUserAgentが連結された上で、送信されます。
なお、「+=」ではなく「=」とすれば、既存のUserAgentをそのまま上書きできます。

クリアテキスト設定

アプリ内で平文通信を行わない、もしくは行うとしても限定的、というアプリの場合、意図しない平文通信が行われないよう、対策をしておきましょう。
クリアテキスト設定自体は、Android 6から使用可能ですが、WebViewに適用されるのはAndroid 7からです。
また、Android 9では、デフォルトでクリアテキストが無効になっているため、HTTP通信できません。
そのため、どうしてもHTTP接続をしたい場合は、後述するドメイン単位での許可を行う必要があります。

クリアテキストを無効にする

AndroidManifest.xmlを開き、applicationの開始タグに下記を追加します。

これで、クリアテキストが無効となり、HTTP通信が不可能になります。(Android 9では、設定せずともデフォルトでfalseです)

HTTP許可ドメインを設定する

止むを得ず、一部ページがクリアテキストである場合は、ドメイン単位で許可することができます。
まず、res/xmlフォルダを作り、下記のようなXMLを作成します。

今回は、domainタグで「includeSubdomains」をtrueとしているため、kantei.go.jpのサブドメインも対象としています。
ファイル名は「network_security_config.xml」とします。

そして、AndroidManifestのapplication開始タグに下記を加えます。

これで、WebViewでアクセスしてみると、「http://www.kantei.go.jp/」などが表示できます。

クリアテキストを許可する

非推奨ですが、HTTPを全体的に許可したい場合は、クリアテキスト自体を許可します。
Android 9未満ではデフォルトで許可されていますが、Android 9からデフォルトで不許可であるため、明示的に許可を宣言します。
「AndroidManifest.xml」を開き、applicationの開始タグに下記を設定します。

これで、クリアテキストが許可されます。

ファイルダウンロードの実装

JavaScriptの「Blob」を使用して、JavaScriptで生成されたファイルをダウンロードさせる場合、WebView内からデータを取り出す必要があるため、「DownloadListener」と埋め込みJavaScript発行による実装が必要になります。(実装にあたりこちらを参考しました。)

DownloadListenerの実装

JavaScriptの文字列を生成し、「webView.loadUrl(js)」で実行させます。(ブックマークレットと同じ仕組みです。)
JavaScriptの内容はシンプルで、「XMLHttpRequest」を使用して、受け取ったURLを読み込ませます。
読み込みが完了したら、「AndroidNative.onDownloadBlob()」を呼び出すことで、コールバックします。この関数は、後ほど定義していきます。

JavascriptInterfaceの実装

JavaScriptからコールバックされる「AndroidNative.onDownloadBlob()」を定義します。

メソッドのインタフェースが、そのままJSから呼び出せる関数になります。
XHRのResultはBase64ですが、先頭にBase64ではないデータが入っているため、それを正規表現で取り除いています。
あとは、素のBase64をデコードし、ファイルに書き込むだけです。
なお、この場合下記のパーミッションをAndroidManifestに記載し、ランタイムパーミッションの実装も必要になります。

ランタイムパーミッションの実装についてはここでは省略します。
実装にはこちらにページが参考になります。

JavascriptInterfaceの登録

JavascriptInterfaceを実装後、WebViewにあらかじめ登録しておく必要があります。

第1引数には作成したJavascriptInterfaceのインスタンスを、第2引数にはインタフェース名を設定します。
(“AndroidNative.onDownloadBlob()”の、「AndroidNative」の部分になります。)
これで完了です。

さいごに

WebViewアプリを作ると言っても、Chromeアプリとはかなり異なる挙動をする場合が多くあります。
こういった事例は他もまだあるので、続編にて紹介したいと思います!

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