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Laravelのブラウザテスト「Dusk」をシンプルなCRUDで始めてみよう

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はじめに

Laravelでは標準で単体テストを実行できますが、公式パッケージ Laravel Dusk を使用すると、ブラウザテスト作成・実行ができるようになります。今回は、CRUDを例に、セットアップと基本的なアクション・アサーションを紹介します。

Laravel Duskのセットアップ

まずは、composerでインストールします。

次に、artisanコマンドで必要なファイルを配置します。

tests/Browswer ディレクトリが作成され、ブラウザテストに必要なファイルが配置されます。構造は次のようになっています。

今回は触れませんが、ページやコンポーネントを使用すると、テストをより構造的に実装することができ、同じUIパーツやページをテストする際に、コードを使いまわせるようになります。
また、consoleはブラウザコンソールの内容、screenshotsにはテスト失敗時や、任意のタイミングでスクリーンショットを撮影したときの画像が入ります。

新規登録のテスト

テスト対象となるコード

前提となる機能を実装します。今回は、書籍を登録・更新・削除できるサンプルコードになります。まずは、一覧と新規登録を作成します。

web.php

BookController

BookRequest

index.blade

edit.blade

form.blade

Duskのテストコード

まずは、テスト用のクラスを作成します。

すると、 tests/Browser/BookCreateTest.php が生成されます。ここに、テストコードを書いていきます。

PHPUnitを使用しているので、メソッド名のプレフィックスに test を付けるか、アノテーションを設定します。
基本的には、 $browser に続けて、動作とアサーションを記述していきます。最初の例では、新規作成画面に遷移し、必要なパラメータを入力します。
2つめの例では、入力せずに送信し、バリデーションエラーの文言をチェックしています。
ここで使用しているメソッドを紹介します。

  • type(テキストボックスのname, 入力内容文字列)
    テキストボックスに入力します。
  • click(セレクタ)
    ボタンをクリックします。セレクタにはCSSセレクタが使用できるので、例えばid等で click('#register') と指定することもできます。
  • clickLink(テキスト)
    テキストリンクをクリックします。
  • assertPathIs(パス)
    表示されているページのパスが、指定のものと一致するか検証します。読み込みに時間のかかるページの場合は、waitする必要はありませんでした。一方で、JavaScriptで重い処理の直後にこの関数を実行すると、アサーションに失敗しました。(JavaScriptに絡むものは次回以降紹介したいと思います。)
  • assertSee(文字列)
    表示されているページに指定の文字列があるか確認します。

テストの実行

テストを実行するには $ php artisan dusk コマンドを使用します。実際にテストを動作させると、次のように出力されます。

失敗すると、エラー内容が表示されます。また、 tests/Browser/screenshots 配下に、エラー時のスクリーンショットが保存されます。

更新のテスト

更新のテストでは、更新前の値が正しく入っていること、正しく更新できることをテストします。

テスト対象となるコード

新規作成のテストで作ったコードに追記します。

BookController

index.blade.php

edit.blade.php (新規追加)

Duskのテストコード

新規作成のテストの応用で実装していきます。先ほどの BookCreateTest.php に追記します。

ここで使用しているメソッドを紹介します。

  • assertValue(セレクタ)
    セレクタの input タグに、値を指定します。 click() と同じように、CSSセレクタで指定します。
  • click('detail-link:first-of-type')
    先ほども紹介したメソッドですが、CSSセレクタの使い方が異なるので紹介します。一覧画面では複数の詳細リンクがあります。そこで、CSS擬似クラス :first-of-type を使用して、1つ目の詳細リンクをクリックするようにしています。

JavaScriptを組み合わせた例

ブラウザテストなので、JavaScriptの動作も検証することができます。削除のテストを例にとって、説明します。

テスト対象となるコード

新規作成のテストで作ったコードに追記します。

BookController

index.blade.php

Duskのテストコード

このサンプルでは、削除ボタンを押すと「本当に削除しますか?」というダイアログが表示されてから、削除を行います。その動作をLaravel Duskで実装します。
それでは、先ほどの BookCreateTest.php に追記します。

ここで使用しているメソッドを紹介します。

  • assertDialogOpened(テキスト)
    ダイアログ(JSのalert/confirm/prompt)のメッセージが、指定のものになっているか検証します。
  • acceptDialog()
    ダイアログのOKボタンを押下します。
  • dismissDialog()
    ダイアログを閉じます。(confirm, promptではキャンセルボタン押下と同じになります。)
  • assertDontSee(テキスト)
    指定したテキストが表示されていないことを検証します。

さいごに

今回のテストコードの全体をここに載せておきます。

今回紹介した以外にも、様々なアクション・アサーションがあります。詳しくは公式ドキュメントを参照してください。
Laravel Dusk: https://laravel.com/docs/master/dusk

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