はじめに
普段はRubyやPHPを学習しておりますが、少しSwiftの配列、ハッシュ(辞書)型のメソッドを教えていただきました。
せっかくなので記事にしたいと思います。
同じような境遇(あまりアプリ側に触れない)の方に、「へ〜、そうなんだ」と思ってもらえたら嬉しいです。
本日取り上げるのは、Ruby on Railsで馴染み深いメソッドのSwift版になります。
配列(Array)
まずは配列です。
例として、下記を使用します。
1 2 | // Array var numbers: [Int] = [0, 1, 2, 3, 4, 5, 6, 7, 8, 9] |
filter
クロージャで指定した条件を満たす、新しい配列を返却します。
例として、2の倍数を取得する処理を記述します。
1 2 3 4 5 | let evenNumbers: [Int] = numbers.filter { (value: Int) -> Bool in return value % 2 == 0 } print(evenNumbers) // => [0, 2, 4, 6, 8] |
上記のようにクロージャを渡すのですが、第一引数に
$0
でアクセスでき、下記のように簡略にすることもできます。
1 2 3 | let evenNumbers: [Int] = numbers.filter { $0 % 2 == 0 } print(evenNumbers) // => [0, 2, 4, 6, 8] |
map
配列の1つ1つにクロージャで指定した処理を行った配列の結果を返却します。
例として、1つ1つの要素を2倍にする処理を記述します。
1 2 3 4 5 | let doubleNumbers: [Int] = numbers.map { (value: Int) -> Int in return value * 2 } print(doubleNumbers) // => [0, 2, 4, 6, 8, 10, 12, 14, 16, 18] |
簡略式も下記に記載します。
1 2 3 | let doubleNumbers: [Int] = numbers.map { $0 * 2 } print(doubleNumbers) // => [0, 2, 4, 6, 8, 10, 12, 14, 16, 18] |
reduce
要素のたたみ込みをするためのメソッドです。要素をまとめて一つにする場合などで利用できます。
例として、要素の合計値を取得する処理を記述します。
1 2 3 4 5 | let totalNumber = numbers.reduce(0) { (total: Int, value: Int) -> Int in total + value } print(totalNumber) // => 45 |
簡略式も下記に記載します。
1 2 3 | let totalNumber = numbers.reduce(0) { $0 + $1 } print(totalNumber) // => 45 |
辞書(Dictionary)
辞書に関しても上記の
filter
、
map
、
reduce
のメソッドは使えます。簡略式ですが、こちらも記載しておきます。
まずは、例で操作対象となる辞書を宣言しておきます。
1 2 | // Dictionary var dictNumbers = ["zero":0, "one": 1, "two": 2, "three": 3 , "four": 4, "five": 5, "six": 6, "seven": 7, "eight": 8, "nine": 9] |
filter
Dictionaryのため、順序保証がないのと、返却値はタプルの配列になっています。
1 2 3 | let evenDictNumbers = dictNumbers.filter { $0.1 % 2 == 0 } print(evenDictNumbers) // => [("four", 4), ("zero", 0), ("two", 2)] |
map
こちらもタプルとしています。
ただ、辞書で返却したい場合が多いと思います。その場合は、次項の
reduce
のやり方がオススメです。
1 2 3 | let doubleTupleNumbers = dictNumbers.map { ($0.0, $0.1 * 2) } print(doubleTupleNumbers) // => [("three", 6), ("one", 2), ("nine", 18), ("seven", 14), ("four", 8), ("five", 10), ("zero", 0), ("six", 12), ("eight", 16), ("two", 4)] |
reduce
1 2 3 | let doubleDictNumbers = dictNumbers.reduce([String: Int]()) { var varDict = $0; varDict[$1.0] = $1.1 * 2; return varDict} print(doubleDictNumbers) // => ["three": 6, "one": 2, "nine": 18, "seven": 14, "four": 8, "five": 10, "zero": 0, "six": 12, "eight": 16, "two": 4] |
上記で、注意点としては、一度
$0
を
varDict
変数に代入しているところです。これは、
$0
がイミュータブルな変数だからです。
そのため、下記ではエラーとなります。
1 2 | let doubleDictNumbers = dictNumbers.reduce([String: Int]()) { $0[$1.0] = $1.1 * 2; return $0} // =>Cannot assign through subscript: '$0' is immutable |
さいごに
いかがでしたか?
Ruby on Railsではおなじみのメソッドですが、少しSwiftならではの制約があります。
ただ、とても可読性が高く、便利なメソッドではないでしょうか?