はじめに
Ruby Advent Calender 2017、11日目の記事になります。
今回は以前実施した、Rubyでのスクレイピングについて再度記載したいと思います。
Selenium WebDriverやPhantomJSなどは使用しておりません。
概要
以前、技術評論社さんのデータサイエンティスト養成読本という本を読みました。
いろいろな技術の紹介があり、非常に参考になりました。
その中でスクレイピングに関するサンプルコードもありました。
今回はPythonで書かれていたスクレイピングのコードをRubyで書き直した記事になります。
なお、Pythonで書かれたサンプルの方は実際に書籍をご覧になってください。
仕様
技術評論社さんのサイトに行き、直近の記事タイトルとそのリンクを取得してJSONで吐き出します。
ソースコード
実際に書いたソースコードはこちらになります。
その後、各項目について記載したいと思います。
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40 41 42 43 44 45 46 47 48 49 50 51 52 53 54 55 56 57 58 59 60 61 62 63 64 65 66 67 68 69 70 71 72 | require 'uri' require 'open-uri' require 'nokogiri' require 'json' class GihyoCrawler @@base_url = 'http://gihyo.jp' @@content_list_url = 'http://gihyo.jp/contentslist' @@title_xpath = '//*[@id="latestArticle"]/dl/dd/h3/a' @@next_url_xpath = '//*[@id="latestArticle"]/div[4]/p[2]/a' @@output_file = 'output.json' @@page_num = 2 @@sleep_time = 1 def self.run url = @@content_list_url File.open(@@output_file, 'w:utf-8') do |f| f.write("{\n") @@page_num.times do dom = read_html(url) scrape_content_page(dom).each do |title, url| data = {title: title, url: url} f.write(JSON.dump(data) + ",\n") end url = get_next_url(dom) break if url.nil? sleep(@@sleep_time) end f.write("}") end end def self.read_html(url) charset = nil user_agent = {"User-Agent" => "Gihyo Bot"} html = open(url, user_agent) do |f| charset = f.charset f.read end Nokogiri::HTML.parse(html, nil, charset) rescue StandardError => e p "Error: #{e}" end def self.scrape_content_page(dom) ret_arr = [] dom.xpath(@@title_xpath).each do |dom_by_xpath| title = get_title(dom_by_xpath) url = get_article_url(dom_by_xpath) ret_arr << [title, url] end ret_arr end def self.get_title(dom) dom.inner_text end def self.get_article_url(dom) url = dom.attribute('href').value URI.join(@@base_url, url).to_s end def self.get_next_url(dom) next_url = dom.xpath(@@next_url_xpath)[0].attribute('href').value return URI.join(@@base_url, next_url).to_s rescue return nil end end GihyoCrawler.run |
ファイル名を指定して
ruby
コマンドで実行できます。
1 | $ ruby gihyo_crawler.rb |
使用したモジュール、Gem
対象ページを取得
open-uriのopenメソッドを使用し、対象URLを開いて取得します。
その際、オプションとしてUser Agentが渡せるので、クローラーだと分かるような名前をつけてあげます。
取得したページはNokogiriでHTMLとして解析して返却します。
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 | def self.read_html(url) charset = nil user_agent = {"User-Agent" => "Gihyo Bot"} html = open(url, user_agent) do |f| charset = f.charset f.read end Nokogiri::HTML.parse(html, nil, charset) rescue StandardError => e p "Error: #{e}" end |
XPATHから目的のものを抜き出す
Google Chromeなどを使用すれば、対象のHTMLタグのXPATHを取得することができるので、そちらから目的のものを取得します。
XPATHの説明は、下記の方の記事が分かりやすいかと思います。
同じ階層の、例えば
<div>
などは配列で返ってくるので、ループして必要なだけ抽出します。
記事タイトル、リンク先それぞれ取得の方法が違うので、メソッドを用意してあげます。
1 2 3 4 5 6 7 8 9 | def self.scrape_content_page(dom) ret_arr = [] dom.xpath(@@title_xpath).each do |dom_by_xpath| title = get_title(dom_by_xpath) url = get_article_url(dom_by_xpath) ret_arr << [title, url] end ret_arr end |
次のページのリンクを取得する
はじめにクラス変数として、
@@page_num = 2
と与えています。
技術評論社さんの記事ページはページングされており、過去の記事を見るためには次のページへ行く必要があります。
このとき、次のページボタンのXPATHを指定し、そのDOMのURLを取得すれば、同様の処理を繰り返すことで次のページの記事も取得できます。
今回のサンプルでは、何ページ目まで取得するか、という意味で
@@page_num = 2
が与えられています。
もしそれ以上過去の記事がなければ、リンクが取得できないはずなので、その場合は
break
します。
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 | def self.run # 省略 @@page_num.times do dom = read_html(url) scrape_content_page(dom).each do |title, url| data = {"title": title, "url": url} f.write(JSON.dump(data) + ",\n") end # 次のページへのリンクを取得 url = get_next_url(dom) # もし取得できなければループを抜ける break if url.nil? # 連続してアクセスすると迷惑なので、次のループに入る前に一拍入れる sleep(@@sleep_time) end # 省略 end |
他のサイトの記事でも試してみる
このスクレイピングのコードですが、書籍で紹介されていた内容でかなり整っておりました。
このコードを継承してしまえば、他のサイトだってだいたい取得できそうだったので試してみます。
継承する際、継承元の
GihyoCrawler.run
をコメントアウトか消しておかないと2回実行されてしまうので気をつけてください。
(私だけかもしれません。。なんで2回実行されているんだ、とドツボにハマっていました。。)
本ブログ
手前味噌ですが、本ブログにも記事一覧ページがありますので、ここから取得してみます。
確認しながら進めると、クラス変数の値を変えるだけでいけました。
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 | require_relative './gihyo_crawler' class ReEnginesCrawler < GihyoCrawler @@base_url = 'https://re-engines.com/' @@content_list_url = 'https://re-engines.com/' @@title_xpath = '//*[@class="kanren-t"]/a' @@next_url_xpath = '//*[@id="contentInner"]/div/article/div[1]/div[2]/a[4]' end ReEnginesCrawler.run |
Qiita
Qiitaも取ってみます。
Qiitaはログインしていないといわゆる新着ページにいけないので、ログインしていなくても確認できる、「Rubyの記事で最近いいねされた記事」(現在は、404 Not Foundになってしまっています)のページから取得します。
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 | require_relative './gihyo_crawler' class QiitaCrawler < GihyoCrawler @@base_url = 'https://qiita.com' @@content_list_url = 'https://qiita.com/tags/Ruby/likes' @@title_xpath = '//div[@class="ItemLink__title"]/a' @@next_url_xpath = '//*[@id="main"]/div/div/div[1]/section/div[2]/ul/li[8]/a' end QiitaCrawler.run |
はてなブックマーク
はてなブックマークの新着からも取得してみます。
はてなブックマークは新着記事の先頭が大きめの表示なので、ちょっとメソッドを変更しないといけないかな、と思いましたが、同じXPATHで取得できますね。
「次へ」のようなリンクがないので、ループ回数は1回にしています。
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 | require_relative './gihyo_crawler' class HatenaCrawler < GihyoCrawler @@base_url = 'http://b.hatena.ne.jp/' @@content_list_url = 'http://b.hatena.ne.jp/entrylist?sort=hot' @@title_xpath = '//h3[@class="hb-entry-link-container"]/a' @@page_num = 1 end HatenaCrawler.run |
さいごに
スクレイピングの勉強がてら書き換えてみました。
サンプル自体が非常に良くできていたので、色々なブログをスクレイピングする際もかなりスピーディにできます。
やはり基底クラスは重要ですね。
Railsで素早くWebページを作成することは違うので、Ruby自体の勉強にオススメです。